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QSL CARDS OF THE WORLD

1970年代から80年代にかけて、日本ではいわゆるBCLがブームとなりました。BCLとは和製英語ですが、broadcasting listner(放送聴取者)の略で、おもに世界中の短波放送を受信する趣味のことを指しました。QSLカードとは別名ベリカードとも言い、各放送局が、あなたがその放送を受信したことを証明する書類だったのです。放送の番組内容や周波数などを書いて放送局に手紙(受信報告書)を送ると、お礼にQSLカードを送ってくれる習慣になっていました。多くのQSLカードは郷土色豊かな絵葉書のようになっていて、特に受信の難しい放送局のQSLカードを集めることが盛んに流行していました。今とは違って、海外旅行がまだまだ一般的ではなく、インターネットなど想像だに出来ないような時代です。地球の裏側の国の放送を聞き、その受信報告書を送って、遠い異国からQSLカードが送られてくることは、わくわくするような楽しみでもあったのです。ここでは、そんな私の昔のコレクションを少しずつ公開していきたいと思います。

QSL CARDS of the Middle East & North Africa 

中東・北アフリカのQSL

RADIO AFGHANISTAN  ラジオ アフガニスタン

長年の内戦と飢饉に次ぐアメリカ軍の攻撃ですっかり病弊してしまったアフガニスタンですが、70年代には政情が安定し、何と国際放送まで行なっていました。これは、ラジオ・アフガニスタンのヨーロッパ向け英語放送に対する受信確認証です(1977年10月)。イラストに描かれているのはバーミヤンの巨大石仏ですが、2001年始めにタリバン政権により『偶像崇拝だ』として爆破されてしまったのは、記憶に新しいところです。実はこの国の政情が安定したら真っ先に行ってみたい所だったのですが・・・。一刻も早くこの国に平和が訪れ、シルクロードの要衝としての活気が戻ってくることを祈ってやみません。

Although years of civil war and renewed American bombardments severely damaged this country, Afghanistan was relatively stable and even somewhat prosperous back in the 70's. Radio Afghanistan had daily international broadcasting services, quite unthinkable from the situation today. I got this QSL card as the confirmation of my reception report for their English programme for Europe. (Oct. 1977) The card depicts the giant Buddah in Bamian, completely destroyed by the fanatic Taliban government in 2001.

 

NATIONAL IRANIAN RADIO AND TELEVISION  イラン国営ラジオ・テレビ放送

これも貴重なQSLカードです。1979年1月のイスラム革命のわずか数ヶ月前、パーレビ王朝末期に放送を受信、送られてきたものです。革命前のイランでは専制政治と急速な西欧化が進められ、国際放送も大々的に行なわれていました。革命後国際放送は一部を除いてほとんど中止されてしまいます。私は1987年イランイラク戦争中のイランを訪れましたが、人々が大変親切でとても印象に残っています。『イランの京都』ともいえる古都イスファハンの美しさや、雄大なペルセポリスの遺跡など観光資源も多く、今後も観光地としての人気は高まっていくでしょう。革命後のイランでは政教一致の厳格なイスラム政治が行なわれていますが、今は改革派のハタミ大統領のもと、徐々にではあるが文化解放と民主化が行なわれています。今後もこの国が民主化開放路線を押し進め、古代ペルシャ帝国から綿々と続く文化の誇りと繁栄を取り戻すことを祈ってやみません。

I got this QSL card just months before the Islamic Revolution in January 1979. Before the revolution, the country was in rapid process of Westernization under the opressive Shah regime. The Voice of Iran, the overseas broadcasting division of Iranian Radio & TV, had extensive international broadcasting services. The revolution reversed all this, and most of international services were abolished.

I visited Iran in 1987, during the Iran-Iraq war. The people were very friendly, and I liked the country very much. I sincerely hope that the country will continue its democratization under the president Hatami, and restore its traditional pride and prosperity.

 

RADIO CAIRO  ラジオ カイロ (エジプト)

 

ラジオカイロは多くの国際放送を行なっており、南アジア向けの英語放送が日本でも比較的良好に受信できました。カイロの下町の様子を描いたQSLカードはシンプルですが味がありますね。

Radio Cairo has quite extensive international services in several languages.

 

RADIODIFFUSION TÉLÉVISION TUNISIENNE チュニジア ラジオ テレビ放送

チュニジアは北アフリカの小国ですが、政情が安定しており、多くのヨーロッパ人がバカンスに訪れます。実は私は行ったことがありません。チュニジア放送はアラビア語のプログラムが比較的簡単に受信できました。

This QSL card is for their Arabic broadcast.

 

DUBAI RADIO AND COLOUR TV (UAE) ドバイ ラジオ カラーテレビ放送(アラブ首長国連邦)

比較的最近国際放送を始めた国です。高出力の送信機を使っており、ラジオ日本も中継局として使っています。

Dubai Radio has high-power transmitters and broadcasts to the world.

 

RADIO KUWAIT  ラジオ クウェート

ラジオクウェートも高出力送信機を持っており比較的簡単に受信できました。

Radio Kuwait also broadcasts quite extensively using high-power transmitters.

 

VOICE OF TURKEY  トルコの声放送

国際放送に力を入れている国で、英語放送が簡単に受信できました。受信報告を送ると、QSLカードの他にプログラムマガジンを送ってくれるなど、聴取者サービスもいい放送局です。

Voice of Turkey broadcasts to the world in several languages.

 

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